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注目の著者インタビュー

吉村昇洋さん

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『気にしなければラクになる』

2014/02/26

2013年9月20日発行/幻冬舎エデュケーション

●今回の書籍を作られたきっかけを教えてください。

東京のカルチャーセンターで講師をしたときに、幻冬舎の方が聞きに来られていたんです。その講演後、「本を出しませんか」と言われました。講演で「仏教とはどういうものなのか」という基礎的なところをわかりやすく話していたら、「これは使える」と。「最近、働く女性たちがいろいろなことに囚われて苦しんでいる部分がある。それを仏教の力で何とかすることはできないか?」というご相談をいただいたのがきっかけですね。


●もともと「女性向けで」という話で企画がスタートしたのでしょうか?

そうですね。20代から50代ぐらいの働く女性をターゲットにしていたんですが、蓋を開けてみたら購入者は60代、70代の方も多いそうで(笑) 実は、男性も多くて、「あぁ、仏教ってどんなものか、初めてわかった」と仰る方も結構おられます。


●臨床心理学と仏教のコラボというのが面白いですよね。

全ての問題が仏教で解決できることではなく、心理学も活用すべきだと普段から思っていたので、「ぜひそれも取り入れさせてください」と編集者にお願いしました。ですから、仏教でお答えしている部分もあれば、臨床心理学のプロとしてお答えしている部分もあります。周りの坊さんたちからは「ずるい」と言われますが…(笑)
ただ、心理学を取り入れたことで、かえって読みやすくなったのではないかと思います。現代に生きる我々には、科学的なものでないと信用できないという考え方が何となくありますよね。一方で仏教は、非科学的じゃないかと思われている節が存分にあるので。そこを説明するときに「科学的な根拠を持った現代心理学でも、同じことを言っている」という風にすれば、「仏教もあながち間違えてないんだな」ということをきちんと分かって頂ける。こういう形式にできたのはよかったなと思います。


●コンテンツはどのように選定されたんですか?

まず、私に“女性の悩み”って言われてもまったくピンと来なくて。なにせ男ですからね(笑)女性の編集者に悩みを挙げてもらって、それに対して一問一答で答えていく方法で進めました。内容が対話形式なので、一つの悩みに対して、「この言葉の意図はどういうことですか」と私が質問して、その返答に対して「そういうことであれば、こうですね」という回答の仕方。そうやって探りつつ、女性の編集者の中でピンときた主題に関してじっくり答える形をとりました(笑)


●臨床心理士のお仕事では、実際に女性の悩みを聞かれることも多いのですか?

女性に限ったことではありませんが、私はうつ病の患者様への対応が多いので、その経験は本の中に活かされていますね。皆誰しも、うつ病とまでいかなくても“うつ気分”にはなるわけで、そのメカニズムを知っておいて損はないと思います。最先端の臨床心理学理論を取り上げつつお答えしているので、いざという時に自分の悩みに対応できることを期待しています。


●この本を読んで「直接お話を聞いてみたい!」と思われる方に何か機会はありますか?

うちのお寺では、定例坐禅会を月曜と金曜に開催しております。本をきっかけに、精進料理の教室に来られている方もいらっしゃいますよ。自分の宗派と違っても問題ありませんので、気軽にお寺のホームページからお問い合わせ下さい。
また、坐禅に関して言うと、初めてされる方には、作法をお伝えするために、初回講習を必ず受けていただいております。
ただ、遠くにお住まいの方で、距離的にうちのお寺に来にくいという方は、できればご自分の近隣のお寺さんを活用してもらいたいと思っています。この本を入口にしながら近くの禅寺に行って頂いてもいいし、禅に限らないのであれば他宗のお寺さんに行ってお坊さんとお話するのだっていい。お坊さんをもっと活用してもらいたいんです。一般の方たちがお坊さんに色々と質問をすることで、お坊さんも勉強をするんですよ。ちゃんと答えられないとカッコ悪いですからね(笑)
実は、この関係性自体が仏教的なんですけども、仏教の基本的な考え方の中に「諸法無我(しょほうむが)」というのがあるんです。これは「固有の実体は存在しない」という意味です。今ここにいる“私”も、実は固有には存在していない。例えば、言葉の成り立ちをみると分かりやすいのですが、何にもない空間に私一人しかいない世界を思い浮かべてみてください。その時、はたして“私”という言葉は生まれるでしょうか? そう、私しかいなければ、“私”と主張する必要性がないので、この言葉は生まれません。つまり、自己存在は他者との関係性によって、はじめて規定されるということです。これを踏まえて話を戻せば、お坊さんをお坊さんたらしめるためには周りの人の力が必要であるとお分かりでしょう。
このように仏教は非常に面白く、日常で活かせる考え方がたくさん存在します。まずはご縁のあるお坊さんに気軽に話しかけていただければと思います。


曹洞宗八屋山普門寺 http://www.zen-fumonji.com/

彼岸寺(WEB寺院) http://www.higan.net/

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吉村昇洋さん

著者プロフィール

吉村昇祥(よしむらしょうよう)

曹洞宗八屋山普門寺で副住職を勤める傍ら、臨床心理士としての病院勤務、県立広島大学の非常勤講師など多岐に渡って活躍。全国の宗派を超えた若手僧侶で運営するWeb寺院「彼岸寺」で連載を持つなど、既存の「お坊さん」の概念にとらわれない活動を行っている。

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