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注目の著者インタビュー

長沼 毅さん

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長沼 毅スペシャルインタビュー Vol.01

2013/10/18

科学界のインディージョーンズは、火山へ極地へ深海へ!

数々の著書を持ち、テレビや雑誌など各メディアで「科学の面白さ」を広め、生物の不思議、宇宙の雄大さなどを分かりやすく、興味深く話してくれる長沼 毅先生。
広島大学大学院准教授ということもあり、今回、長沼先生にお話を伺う機会を設けていただきました。

科学・生物への興味は少年のころから。少年長沼は、一体どんな人物だったのでしょうか!?

気さくな雰囲気、一風変わった風貌……興味は尽きません。

『酒ビン片手に南極・北極から火山、砂漠、深海・地底など、地球の辺境を放浪する吟遊科学者。学名: カガクカイ・インディ・ジョーンズ・モドキ、あるいは、ホモ・エブリウス(Homo ebrius)「酔っ払ったヒト」。』
(長沼 毅Twitter自己紹介より)



●すべり台から、人間とはなにか?

 たぶん4歳ぐらい、幼稚園のすべり台を降りてきて着地した瞬間にふと思ったんですね。「今、自分は、すべり台の上から下まで滑ってきたけども、本当はどこからどこに行くのだろう」と。つまり「人はどこから来て、どこに行くんだろう」と、そういうことが漠然と頭に浮かんだんです。
 かの有名な画家のゴーギャンも「どっから来て、どこに行くのか」という絵を描いた人ですよね。「どこから来て、どこへ行くのか」というのが、人間にとって大問題なんです。
そんなことをふと思いついちゃって……。実際その時は、あまり深く考えてないわけです。
しかし、だんだんと歳を重ねるごとに、それが人間の存在の根本的な問題に関わることだと思うになってしまったんです。
 今になって思えば、「一体、自分って何なんだろう」という自我とか自己とか、哲学的な話にもなり得るし、私の場合はそれが哲学の方に発展せず、たまたま「生命って一体なんだろう」って方向に発展し、理系になったんだと思いますよ。
 「自分っていうのはどういう存在なんだ?」と、自分自身のことをそう感じたら、周りにいる人間に対しても、その疑問は浮かびます。
 「人間って一体何なんだろう、生命って一体何なんだろう」と、そういうところですね。


●読書少年の興味は尽きぬ……

 本はやたらといっぱい読みました。文系・理系を問わず、片っ端から本を読んでましたね。
 そして本を読めば読むほど、太陽の動き、あるいは地球の空の雲の流れとか、すべてのものが私には不思議に感じてきたんです。
 そうやっ、て自然界のことを幅広く勉強しました。やはり一番おもしろい生命体は人間で、人間のこともいろいろ知りたいと思いましたから、科学や生物といったもののほかに、歴史はもちろん勉強するし、今生きている人間たちがどういうことをやっているかというと産業とか政治とか戦争とかなので、そういったところにもとても興味を持ちました。
 たまたま小学校に上がった頃に、親がすごく立派な百科事典を買ってくれたんです。それで日本の歴史とか世界の歴史とか、あるいは動物、植物、天文・宇宙などをテーマ別に勉強していたんだけれども、後で振り返ってみると、一番手あかが付いて真っ黒だったページは天文・宇宙。それと、日本の歴史とかぐらいかなぁ。一番手あかが付いてなかったのが動物と植物。結構嫌いだったんですよ。
 だいたい、理系の少年っていうのは虫か星か石から入るんですよ(興味の対照)。私はそれがたまたま星だったんですよね。


●人間の頭の中に、宇宙は広がる

 子どものときは星が好きだったんですけども。一番面白いと思ったのは、例えばある星座を眺めると平面上に星が並んでますよね。だけども本当のところ、ある星は遠くにあり、ある星は近いわけです。一つの星座だからみんな平面上にあると思いがちなんですが、そうじゃない。本当は3D的に、その星たちとの距離を考えて見てないといけないんですよね。そういった星座の星の並びを考えはじめると、本当に面白いんです。
 私みたいなマニアになってくると、ぼうっと見える星のかたまり……二重星団と呼ばれるものがありましてね。その星のかたまり同士が接近し、いかにも2つが並んでいるのように見えるんですが、実際には1つは地球に近く、1つは遠いんですよね。そんなことを考えた瞬間に、頭がぼ〜っとなってくるわけです。
 なんとなく、自分が宇宙に放り出されたような感じがする。ふわっと浮いているような。
 そういった時空を飛び越えちゃったような体験ができる一瞬があるんです。
 望遠鏡や双眼鏡をのぞきながら、「本当はこれは片一方は1万年前に出た光で、片一方は100万年前に出た光だよね。それを今僕は、同時に見ているんだ」と考えると、うわぁ〜!っと思うんです。
 不思議ですよね。本当にああいうときは、自分が宇宙に浮遊しているようなイメージがします。そしてなんとなくその瞬間から、実は宇宙と生命はつながっているように感じまして……自分の頭の中に、宇宙があるんです。
 
 100万年前の光、1万年前の光、自分の頭の中でそれを思い浮かべること自体が異常というか。いや、本当にすばらしいことだよね。
 自分なんて宇宙から比べたら、小さな存在なのにね。その小さな存在の頭の中で、宇宙と同じようなことを考えるんだもの。


長沼 毅ホームページ http://takeshi-naganuma.jp/

              Twitter @NaganumaTakeshi

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長沼 毅さん

著者プロフィール

ながぬま・たけし

1961年生まれ。生物学者、理学博士。広島大学大学院生物圏科学研究科准教授。生物海洋学、微生物生態学を専門にし、極地・辺境などの過酷な環境に生きる生物の探索調査をする。深海から南極・北極、砂漠や火山帯などにも出向き、精力的に研究を続けている。多数のテレビ、ラジオ、雑誌等を通じて「科学の面白さ」を幅広く伝える。『世界をやりなおしても生命は生まれるか?』(朝日出版社)、『生命には意味がある』(メディアファクトリー)ほか著書多数。

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